Catalyst 6000/6500のアーキテクチャに高速WANインタフェースのサポートを追加したのが、Cisco 7600ルータ
さらにCSMによる負荷分散、IDSモジュールによる侵入検知など、レイヤ5以上の機能も含まれる。
スーパバイザエンジン1A(SUP1A)を装着した場合
コントロールプレーン |
データプレーン |
バックプレーン/EOBC含む |
インタフェース |
SUP1A |
32Gbpsバス |
バスのみ対応モジュール | |
MSFC/MSFC2:レイヤ3処理 | PFC:Qos/ACL/フローキャッシュでのレイヤ3転送(SUP1AではFIB方式不可) | フレームやパケットが通るバスは各モジュールとSUP1Aを繋ぐ。 SUP1Aが各モジュールを制御するためのEOBC(Ethernet Out of Band Channel)はSUP1A内のコントロールプレーン(MSFC・NMP)と各モジュールを繋ぐ。 |
X6408A/X6348など |
NMP(Network Management Processor):レイヤ2処理、SupervisorのCPU |
スーパバイザエンジン2(SUP2)を装着した場合
コントロールプレーン | データプレーン | バックプレーン/EOBC含む | インタフェース |
SUP2 |
256Gbps SFM(Switch Fabric Module) | SFM対応モジュール(DFCなし) | |
32Gbpsバス | バスのみ対応モジュール | ||
MSFC2:レイヤ3処理 | PFC2:FIB方式でのレイヤ3転送 | バス方式とクロスバースイッチ方式の混在。 別にEOBCも通っている。 EOBCはSUP2内のコントロールプレーン(MSFC2・NMP)と各モジュールを繋ぐ。 |
SFM対応(DFCなし):X65xx系、OSM バスのみ対応:X6408A/X6348など |
NMP:レイヤ2処理 |
Compactモード:SFM対応モジュールのみで動作している場合、SFM対応モジュールがバス方式とクロスバースイッチ方式のバックプレーンに共存する異なる方式にそれぞれ別の役割を与え性能を上げる。具体的には、バスをレイヤ2・3の転送先決定をするときヘッダ情報をSUP2に送るために使い、クロスバースイッチをインタフェース間のフレーム転送に使う。といったようにすると効率がいい。
Truncated(切り詰め)モード:SFM対応モジュールとバスのみ対応モジュールが混在している場合、SFM対応モジュールは互換性のためTruncated(切り詰め)モードで動作する。Compactモードに比べ性能が下がる。
Flow-Throughモード:SFMがシャーシに装着されていないか、障害などが原因で動作しなくなると、CompactモードとTruncated(切り詰め)モードどちらも、Flow-Throughモードに切り替わる。これはSUP1A装着時と同じ動作をする。
分散スイッチング:インタフェースモジュール内にDFC(分散フォワーディングカード)を追加し、DFC毎にコントロールプレーン・データプレーンを持つ。これによりDFCが独立してレイヤ2/3転送を行うことが出来、処理を分散できる。ACLやQoSも処理可能。Cisco12000のdCEF(分散CEF)と同じ仕組みだが、レイヤ3だけでなくレイヤ2転送(ブリッジング)も分散処理できるので、dCEFではなく分散スイッチングと呼ばれる。
コントロールプレーン | データプレーン | バックプレーン/EOBC含む | インタフェース |
SUP2 |
256Gbps SFM(Switch Fabric Module) | SFM対応モジュール(DFC標準装備) | |
SFM対応モジュール(DFCを追加) | |||
SFM対応モジュール(DFCなし) | |||
32Gbpsバス | バスのみ対応モジュール | ||
MSFC2:レイヤ3処理 | PFC2:FIB方式でのレイヤ3転送 | バス方式とクロスバースイッチ方式の混在。 別にEOBCも通っている。 EOBCはSUP2内のコントロールプレーン(MSFC2・NMP)と各モジュールを繋ぐ。 |
SFM対応(DFC標準装備):X6816 SFM対応(DFC追加):X65xx系+WS-F6K-DFC SFM対応(DFCなし):X65xx系、OSM バスのみ対応:X6408A/X6348など |
NMP:レイヤ2処理 |
OSM(Optical Services Module):SFM対応モジュールの一種で、POS(Packet-over-SONET/SDH)やATM(Asynchronous Transfer Mode)、ギガビットイーサネットなどのWANインタフェースを持つモジュール。
筐体内冗長化
Catalyst 6000/6500, Cisco 7600では同一筐体(シャーシ)内で以下の部分を冗長化(二重化)する事が出来る。OIR(Online Insertion and Removal)機能によりシステムを稼働させたままモジュール交換可能。
モジュールはCatalyst4003との互換性があるが、SUP3はCatalyst4003では使用不可。Catalyst4000シリーズは分散スイッチングはサポートしない。
コントロールプレーン | データプレーン | バックプレーン | インタフェース | |
共有メモリ | シャーシ内配線 | スロット x 5 | ||
SUP3 |
1スロットにつき6本の内部リンク(Gigabit相当)がSUP3とモジュールを繋ぐ | |||
1つのCPUが、 レイヤ2・3転送先決定のための情報管理 データプレーンでは処理できない例外的なフレーム・パケットの処理 |
FIB(CEF)方式によるレイヤ3(ルーティング)・レイヤ2(ブリッジング)転送処理、ACL、QoS処理をハードウェア化 | 6ポート以下のモジュール:1つの物理I/Fに1本の内部リンク 6ポート以上のモジュール:複数の物理I/Fで1本の内部リンクを共有(多重化ASIC) |
様々なスピード・ポート数のモジュール |
モジュールの多重化ASICの有無とその方式によって、モジュール上のポートは以下の3種類に分類される。
筐体内冗長化
電源ユニットのみ冗長化可能。1シャーシ最大3つの電源ユニット可能。
コントロールプレーン・データプレーン共にCatalyst6500 SUP2 やCatalyst4006 SUP3と同様の役割を持つ。Catalyst 3550もFIB(CEF)方式によるレイヤ2・3転送、QoSやACLのほとんどをデータプレーンで処理する。
Catalyst6500とは違い目的別にTCAMが別れていない。具体的には1つのTCAMを幾つかの区画で分け、MACアドレステーブル、ACL、FIBテーブルなどで共用している。これらの使用目的に応じて、TCAMの区画割り当てを管理する仕組みのことを、SDM(Switch Database Manager)と呼ぶ。
Catalyst 3550はTCAM使用率とCPU負荷が安全範囲に収まるよう、SVIとルーテッドポートの合計数に制限有り。
製品 | SVIとルーテッドポートの合計数制限 |
Catalyst3550-12G | 64 |
Catalyst3550-12T | |
Catalyst3550-24 | 8 |
Catalyst3550-48 |
筐体内冗長化は不可。電源は外部予備電源ユニット(RPS 300)を利用すれば可。
製品 | ポート | Supervisor IOS |
Catalyst2950 | 全て10/100Base-TX | Standard Image (SI) |
Catalyst2950T | 10/100Base-TXの他に、 ギガビットイーサネット(GBIC)と 100Base-FXがアップリンク用 |
Enhanced Image (EI) ACLやQoS機能をサポート |
Catalyst2950G | ||
Catalyst2950C |
GBIC(Gigabit Interface Converter):コア層のスイッチとの接続に使用するアップリンクポート
Catalyst 2950のSupervisor IOS 12.1(6) EA2c 以降は、インストールされたハードウェアの種類を見分け、SIまたはEIどちらで動作するか自動的に選択してくれる。
筐体内冗長化は不可。電源は外部予備電源ユニット(RPS 300)を利用すれば可。
参照:Cisco Catalyst LANスイッチ教科書(インプレス)/