Frame-Relay

DTE - 顧客のルータ、ブリッジ、端末、PC

DCE - モデム、CSU/DSU、TA/NT1

x.25と違って、フレーム・リレーは物理回線を信頼性があると想定するので、巡回冗長検査-CRCなどの簡単なエラーチェックだけは行うが、フレーム・リレー自体やCisco HDLCにはエラーリカバリー機能がなく、フレーム・リレーが機能するレイヤ1及び2より上層のプロトコルによって、パケットはエラーリカバリー・フロー制御される。その分待ち時間やオーバーヘッドが少ない。

フレーム・リレー カプセル化 タイプ - Cisco(default)/IETF(シスコ以外のデバイス用)。I/Fでのencapsulation frame-relay コマンドはオプション指定しないとデフォルトでMultiPointになる。Point-to-pointにするにはオプション指定が必要。I/FをMultiPointにした方が、シリアルI/FとCSU/DSU各ひとつずつで複数ポイントに接続できるので、コストを押さえることが出来る。

 

LMI(ローカル管理インターフェース) - 1990年にCisco Systems/DEC/Northern Telecom/StrataComが開発した基本フレーム・リレー使用の拡張セット

  • グローバルアドレッシング:通常DLCIはローカルにだけ意味を持つが、それをグローバルに識別するようにする。管理が容易になる。
  • 仮想回線ステータスメッセージ:回線ステータスには active/inactive/deleted/static がある。show frame-relay pvc で表示。
  • マルチキャスティング:帯域幅を節約するため、ルーティング更新やネットワーク解決のメッセージをルータの特定グループにのみ、マルチキャストで送信できるようにする。
  • フレーム・リレー LMI タイプ(IOS11.2以降は自動検出) - Cisco(管理用DLCI:1023)/ANSI(管理用DLCI:0)/Q.933a

    フレーム・リレー カプセル化 タイプとLMI タイプ設定はサブインターフェースでは不可。物理インターフェースでのみ可

    サブインターフェース番号とDLCI番号を同じにすると管理が楽。つまりDLCI番号16〜1007の間の992個のサブインターフェースを構成可能。DLCI番号0〜15と1008〜1023は予備・管理用なので使用できない。

     

    Multi Protocol Encapsulation - IOS10.3(1)から、フレームリレーはNovell IPX/AppleTalkもサポートする。RFC1490

    AppleTalkまたはフルメッシュ環境では、レイヤ2のDLCIが正しくないレイヤ3アドレスを取得してしまう可能性があるので、InverseARPは無効にした方がいい。

     

    スプリットホライズンの問題 - ハブ&スポーク型のネットワークでは、スプリットホライズン(お前に冗談を言った奴に、同じ冗談を言うな)により、スポークサイトのルータ同士で、お互いのネットワークを認識することが出来ない。この問題を回避するには、以下の方法のいずれかを行う。リンクステートルーティングプロトコル使用時にはスプリットホライズンの問題はない。

  • 使用しているルーティングプロトコルでスプリットホライズンを無効にする。IGRP/EIGRPはこのような状況では自動的に無効になる。だがIPX RIP:SAP/AppleTalk/DEC net では無効に出来ない。
  • 各サイト間に物理接続のあるフルメッシュネットワークにする。この方法はコストがかかる。
  • サブインターフェースを使う。この方法は設定が困難になる。ブロードキャストトラフィックが増えるなどの欠点がある。ブロードキャストトラフィックはトラフィック全体の20%未満に押さえる必要がある。またルータの5分間の平均CPU使用率(show processes)が、ブロードキャストトラフィック増加によって、75%以上にならないように注意が必要。
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    トポロジーの種類と特徴

  • ハブ&スポーク(スター)型:PVCの数を少なくできる。ブロードキャストを減らせる。管理が楽。ダイアルI/Fの競合を減らせる。ハブサイトに必要なCIR=リモートサイトのCIR x リモートサイトの数
  • フルメッシュ:長所は、どのサイトへでも1ホップなので遅延が遅い。音声トラフィックにいい。複数経路があるので、使用しているルーティングプロトコルによりロードバランスが可能。短所としては、あまり一般的でない。費用が高い。PVCの数=サイト数 x (サイト数 - 1)/2 。このような型の中では、InverseARPは無効にした方がいい。
  • 階層メッシュ(Hierarchical Mesh):セントラルサイトのルータを2つ用意して、リモートサイトは各セントラルルータへのPVC(同じCIRで)が必要。フルメッシュほどPVCが多くなく、コストが安いが冗長性を確保できるので一般的な手法。複数経路があるので、使用しているルーティングプロトコルによりロードバランスが可能。
  • ひとつのルータに多くのトンネルやリアルインターフェースが必要な場合は、Cisco7000/7500シリーズルータとVIPカードを使って解決できる。

    InverseARPはIOS10.3以降から使用可能。

     

    参照:Cisco CID Exam Certification Guide(CiscoPress)/CCDA実践ガイドブック(SoftBank)

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