ISDN

for CCNA (640-607J)


ISDNの物理インタフェース

I/F Bチャネル数 Dチャネル数
BRI (Basic Rate Interface)

2 (64Kbps)

1 (16Kbps)

PRI (Primary Rate Interface)

23 (T1)
30 (E1 欧州)

1

B(ベアラ)チャネル:高帯域のデータ、音声サービスなどのユーザデータを伝送

D(データ)チャネル:シグナリングと制御情報を伝送。また低帯域のデータ伝送にも使われる。

 

ISDN コンポーネント

  • TE1-ISND対応デバイス。PRI/BRIを持つルータ。
  • TE2-非ISNDデバイス。シリアルI/Fを持つルータ
  • TA-ターミナルアダプタ
  • NT1-終端装置。4線(顧客側)を2線(ISP側)に変換する。DSU
  • NT2-顧客宅内デバイス。PBX、ISDNスイッチ、ISDNハブ、マルチプレクサ
  • LE-ISDN交換機。ISDNローカルスイッチ
  • ISDN参照ポイント

  • R - TE2とTAの間
  • S - TE1とNT2の間(米国以外の境界点)
  • T - NT2とNT1の間(米国以外の境界点) 
  • U - NT1とLEの間(米国の境界点)
  • 参照ポイント S と T は、電気的・機能的に同じ役割を持つので、参照ポイントS/Tと表示されることが多い。

    境界点 - ユーザとキャリアの責任の別れる場所

     

    PRIを持つルータ-Cisco 4000/7000/AS5300 シリーズ

    BRIを持つルータ-Cisco 1000/1600/2500 シリーズ

     

    ITU-T標準のISDNプロトコル

        トピック(テーマ)  プロトコル   例
     電話ネットワークとISDN   E シリーズ   E.163 - 国際電話ナンバリング計画
     E.164 - 国際ISDNアドレス
     ISDN概念、側面(アスペクト)、I/F  I シリーズ   I.100 - 概念、構造、用語
     交換(スイッチング)とシグナリング  Q シリーズ   Q.921 - LAPD(Link Access Procedure Dedicated D-channel encapsulation)
     Q.931 - 端末と交換機の間のISDNネットワークレイヤ

     


    DDR (ダイヤル オンデマンド ルーティング) の概要

    転送する必要のあるトラフィックが発生した場合に、インタフェースを立ち上げ、ネットワークに接続し、データ転送完了で切断する機能。ISDNまたはPOTS (Plain Old Telephone Service)ネットワークで、帯域幅をあまり必要としない定期的なネットワーク接続で使われる。

    CCNAではDDRの基本的な設定である、標準DDRのみを扱います。DDRのその他の高度なオプションとして以下の機能がありますが、CCNA範囲外です。

     

    標準DDRの設定 - 以下の様なネットワークで、ルータR1がネットワーク10.10.0.0へのトラフィックを受け取り、ルータR2への接続を確立するまでの流れを説明します。

    準備:ルータまたはインタフェースにISDNスイッチタイプを指定する。(スイッチタイプによっては、SPID設定が必要)

    R1(config)#isdn switch-type <switch-type>
    または
    R1(config-if)#isdn switch-type <switch-type>
    R1(config-if)#isdn spid <SPID番号> [ local dial number ]    <-- SPID設定。サービスプロバイダから提供される。

     

    ステップ1:スタティックルートの定義

    ダイナミックルーティングプロトコルでは、定期的なルーティングアップデートの度に接続を確立しようとするので、スタティックルートを設定するのが適している。

    R1(config)#ip route 10.10.0.0 255.255.0.0 172.20.10.1   <- ネットワーク10.10.0.0宛のトラフィックは、172.20.10.1へ送られる

     

    ステップ2:interesting トラフィックを指定

    DDRコールのトリガとなるトラフィックを指定する。

    R1(config)#dialer-list 1 protocol ip permit   <- 10.10.0.0への全てのIPトラフィックをトリガとして指定。しかし長時間接続が確立される恐れ有り。

    または、

    R1(config)#dialer-list 1 protocol ip list 101
    R1(config)#access-list 101 permit tcp any 10.10.0.0 0.0.255.255 eq telnet <- アクセスリスト使用で10.10.0.0へのTelnetトラフィックをトリガとして指定。

     

    ステップ3:ダイヤラ情報を設定する

    標準DDRを設定するインタフェースを構成する。

    R1(config)#username R2 password cisco        <- PPP認証用
    R1(config-if)#ip address 172.20.10.2 255.255.255.0
    R1(config-if)#encapsulation ppp             <- カプセル化タイプをPPPに設定
    R1(config-if)#ppp authentication chap          <- PPP認証にCHAPを使用
    R1(config-if)#dialer-group 1                <- dialer-list 番号を指定
    R1(config-if)#dialer map ip 172.20.10.1 name R2 5552000  <- セントラルサイトのルータのダイヤルされるI/FのIPアドレスと電話番号をマップする
    R1(config-if)#dialer idle-timeout 180          <- この設定秒数interesting トラフィックが流れないとコールが切断される
    -------------------------------------------
    R1(config-if)#dialer load-threshold 125 either
    R1(config-if)#hold-queue 75 in              <- 接続が確立するまでにキューに貯めておけるパケット数

     

    dialer mapコマンドのシンタックス

    R1(config-if)#dialer map <protocol> <next-hop-address> [name hostname] [speed 56 | 64] [broadcast] dial-string

     


    モニタコマンド

    show interface bri 0・・・特定のインターフェイスに関する BRI の D チャネル情報を表示。

    show interface bri 0 1 2・・・インターフェイスの BRI B チャネルの情報を表示。

    show controller bri・・・BRIコントローラに関する情報を表示。このコマンドでは第1層がアクティブになっているかどうかを確認することができる。

    show dialer bri 0・・・DDRの結果を見る。DDRダイヤルストリング、呼び出し状況、タイマ設定に関する情報を表示。

    show isdn status・・・使用されているISDNスイッチ、およびレイヤ1、,2、3におけるBRI呼び出しの状況に関する情報が表示。スイッチタイプが確認できる

    show isdn active・・・コールが行われた番号を表示

     

    debug dialer・・・DDR文がルータに正しく構成されているかどうかをチェックする。

    debug isdn q921・・・TEIのメッセージ活動を表示。(レイヤ2の情報。)

    debug isdn q931・・・Q.931フレーム内の情報を解釈し出力する。

     


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