OSPF


Hello Packet の内容

Hello/Dead Intervals、Area ID、Authentication Type / Password は隣接ルータ内で共通

Router ID - OSPFルータ毎に割り当てられる、長さ32ビット、AS内でユニーク、そのルータが起動時に一番大きい数字のIPアドレスを持つループバックインタフェースアドレス(なければ通常のインタフェース)の数値(アドレスだから32ビット)がRouter IDになる。

Router Priority - DR/BDR選出に使われる。もっともRouter Priority数値が高いルータがDRになる(同値ならRouter ID高い方優先)。
Router Priorityの値を手動設定するにはインタフェースで、ip ospf priority コマンド。既にDRが存在するネットワークに新規ルータが追加された場合、追加されたルータが現DRより高いRouter Priorityでも現DRがFailするまではDRになれない。

同じエリア内の IR( Internal-Router ) は各々そのエリアのトポロジ(リンクステート)データベースを持つ。
(エリア内全ルータが同じトポロジDBということ)

ABRは各々のエリア毎のトポロジ(リンクステート)データベースを持つ。

Helloパケットが送信される間隔は、Ethernet/TokenRingなどのブロードキャストネットワークでは10秒ごと、Frame-Relay/ATMなどのNBMAネットワークでは30秒ごと

 


OSPF Packet Types

Type Packet Name Protocol Function
1 Hello Packets 隣接ルータの発見・関係を保つ、multiaccess networkではDR選出のためにも使用される。Helloパケット内容は上記
2 Database Description Packets
(DD/DBD Packetsとも呼ばれる)
隣接関係を確立する際にマスタとスレーブ間でやり取りされる。
内容はトポロジ(リンクステート)データベースが要約されたもの。
3 Link State Request Packets DD Packetsでトポロジデータベースの要約を交換したマスタ/スレーブルータは、
各々持っているトポロジデータベースと比較して相手のトポロジデータベースに新しいルート情報が含まれていると、このパケットを使って相手にトポロジデータベース本体(ただし新しいルート情報部分のみ)を要求する。
4 Link State Update Packets (LSU) このパケットを使って相手にトポロジデータベース本体を渡す。
LSA(Link State Advertisement)とほぼ同義
5 Link State Acknowledgement Packets (LSAck) LSUを受け取った隣接ルータが受け取った確認のためにLSU送信元ルータにLSAckを返す。

LSAタイプと3種類のOSPFデータベースについては、for CCDA/CCDP のOSPFドキュメントをご覧下さい。

 


How OSPF Works

OSPFルータ同士(R1とR2)がどのようにトポロジデータベースを同期させるか。というプロセスの説明です。
その為にはまずR1とR2が隣接関係を確立する(form an adjancecy)必要があります。
R3というDRルータ1台のみが既に存在するマルチアクセスネットワークにR1とR2が追加される場合を例にして、R1とR2の各ルータの6つのステータス毎に順を追って解説していきます。

隣接関係の確立の仕方

Router Status 解説 補足  
Init R1とR2はオンラインになると同時にHelloパケット(マルチキャスト224.0.0.5)をやり取りする。 R1からR2へHelloを送り、R2からR1にHelloが戻ってくる  
2way 相手から受信したHello内の「Neighbors Router」欄に自身のRouter IDを見つけると2way状態になる。DR/BDRの選出はこの段階で行われ、この場合R1とR2のどちらかがBDRになる(R1と仮定) マルチアクセスネットワークではDR/BDR以外のルータはDR/BDRとのみ隣接関係を確立する  
ExStart 最初のDDパケットの交換でマスタ/スレーブ関係を確立、スレーブはマスタのDDシーケンスナンバーに合わせる 大きいI/F IPアドレスを持つルータがマスタ(ここではR1)  
Exchange お互いのDDパケットの交換。内容を自身のトポロジデータベースと比較 お互い受け取った確認にLSAckを返す  
Loading 比較の結果自身のトポロジデータベースより新しい部分を見つけると、Link State Request を送信 新しい部分のみ要求  
Full Link State Requestを受け取った方はLSUを返し、LSUを受け取った方は確認のためにLSAckを返す これで互いのトポロジデータベースが同期完了  

隣接関係を確立、またはしている途中の相手ルータの各Router Statusは、 show ip ospf neighbor(s) コマンドで確認できます。例えばR1のステータスが見たいならR2でこのコマンドを実行します。

 


OSPF Network Types

ip ospf network インタフェースコマンドでNetwork Type変更可能

1, Broadcast

2, Non-Broadcast (非ブロードキャストネットワークに適している)

3, Point-to-Point

4, Point-to-Multipoint (非ブロードキャストネットワークに適している)

 


OSPFのRIP (Ver 1)に比べての利点

 


ODR (On - Demand Routing)

スタブサイトにオーバーヘッドが最小のIPルーティングを提供する。
つまりダイナミックルーティングプロトコル程のオーバーヘッドがなく、スタティックルーティング程の構成や管理の手間がかからない。
かつハブルータがスタブネットワークへのルートをダイナミックに維持できる。

ODRを構成するにはハブルータで、 router odr  コマンド

スタブルータはCDP (Cisco Discovery Protocol)によって自身のスタブネットワークを、ハブルータに通知する。
高速コンバージェンスが必要ならば、CDP間隔を短くする。(デフォルトの60秒では長すぎる)

 


参照:Cisco CCIE Lab Practice Kit (Mc Graw Hill)洋書 / CCIE基本ガイド ネットワークデザイン&ケーススタディ第2版(Cisco Press)

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