ISDN
for CCIE Qualification (350-001E)
ここでは詳細な説明は省いて、ポイントだけを押さえていきます。
ISDNネットワーキング アプリケーション
ISDNには以下のような機能があります。
- DDR (Dial-on-Demand Routing) :必要に応じてISDN接続を確立・切断する技術
- ダイアルバックアップ :専用線などのバックアップ又は補助リンクとして使用
- SOHO接続 :POTS(Plain Old Telephone Service)のアナログモデムを使用するより高速である
- モデムアグリゲーション :1つの電話番号でISDNとアナログモデム両方の接続を同時にサポートするハイブリッドデジタルソリューションを提供
通常は、ISDN発呼側を「SOHO」、受信側を「ネットワークアクセスサーバ(NAS)」と呼びます。
ISDNソリューションの構成要素
- ISDN接続 :BRI (ISDNルータ又はTAを使用)/PRI
(MIP:Multichannel Interface Processorを使用)接続を確立するのに必要なハードウェア・構成(ISDNスイッチの種類やSPID)や注意点(接続状態を確認するshowコマンド)など
- データグラムカプセル化 :PPP/HDLC/X.25/V.120
などのカプセル化を使用できるがPPP(RFC1661)が使われることが多い(認証やマルチリンクPPP:MLPを使用できるため)
- DDR
- セキュリティ問題 :PPPではCHAP/PAPによる認証やコールバック機能、その他のカプセル化プロトコルでは、着信側(通常はセントラルサイトルータ)で発呼側(者)ID
(通常はリモートサイトルータのID)を制限する、ダイアル番号情報サービス(DNIS)を使用。
- ISDNの拡張方法 :仮想リモートノード(NAT機能を使いNASからリモートサイトが1つのノードに見えるようにする)、仮想プロファイル(各ユーザ用の仮想アクセスインタフェースを作れる)、マルチシャーシマルチリンクPPP:MMP(リモートサイトからの1つのBチャネルをグループ化された複数NASへ接続する)
- コスト削減問題:リンクを確立するトラフィックを分析、料金構造から月コストを予測、SNMP管理プラットフォームによるISDN統計情報の監視、AAAアカウンティング、などによりコストを最小限に押さえる。
ISDNのトラブルシュート
(ISDNはOSI参照モデルの下位3層で動作する)
1,まずリモートISDNインタフェースにping
を実行し、接続が正しく機能しているか確認。
2,接続されてなかったら、interestingパケットが存在しているか確認(debug
dialer events / packets コマンド)。
3,interestingパケットが存在していたら、show
isdn interface コマンドで下位3層全ての状態を確認。
(ある層が非アクティブだとその上位層も非アクティブになる)
4,物理層での確認
BRI: debug bri
PRI: show controller t1 (no alarms detected
は問題がないことを示す。)
5,データリンク層での確認 (BチャネルではPPPなど、DチャネルではLAPDプロトコルが動作している)
debug isdn q921
debug ppp negotiation (PPP認証の確認)
show interface bri 0 1 (LCP/NCPのステータス表示)
6,ネットワーク層での確認 (BチャネルではIP/IPXなど、DチャネルではQ.931プロトコルが動作している)
debug isdn q931
7,その他
show/debug dialer
show isdn history
参照:CCIE基本ガイドネットワークデザイン&ケーススタディ第2版(Cisco
Press)/