●システムクロックとハードウェアクロックの設定
システムクロック:ソフトウェアとして動作する時計、起動時にハードウェアクロックと合わされる
ハードウェアクロック:コンピュータに内蔵されている時計、電源をオフにしても動作している
コマンド | 説明 | 書式 | 主なオプション 補足 |
date | システムクロックを表示/設定する (スーパーユーザのみ可能) |
date [MMDDhhmm[[CC]YY].[ss]] オプションなしだと 例えば |
MM :月(2桁) DD :日(2桁) hh :時(2桁) CC :西暦の上2桁 ss :秒(2桁) |
hwclock | システムクロックとハードウェアクロックを合わせる | hwclock [オプション] | -r : ハードウェアクロックを表示する -w (--systohc)
: -s (--hctosys) : |
●タイムゾーンの設定
UTC(世界標準時)と時差のある地域で運用する場合は、
/usr/share/zoneinfo ディレクトリ以下にある各地域のファイル名を、
/etc/timezone ファイルに記述する
●NTPによる時刻修正
NTP(Network Time Protocol):
正確な時刻を刻むサーバ(NTPサーバ・タイムサーバ)からネットワーク経由で正確な日時を取得する仕組み
ntpdate NTPサーバ名 コマンドでシステムクロックを設定する
NTPサーバの設定は、 /etc/ntp.conf ファイルで行う
●日時を指定して処理を実行する(実行されるのは1回のみ)
コマンド | 説明 | 書式 | 主なオプション 補足 |
at | 指定した日時にコマンドを自動的に実行 (ジョブを作成) |
at [オプション] 日時 プロンプト「>」が出るので、 日時は、 |
-l : 予約しているジョブを表示 -d ジョブ番号
: -f ファイル名: |
atq | 予約しているジョブを表示 | atq | at -l と同じ |
atrm | 予約しているジョブを削除 | atrm ジョブ番号 | at -d ジョブ番号 と同じ |
atコマンドの利用制限:
/etc/at.allow ファイルが存在する場合は、そこに記述されているユーザのみがatコマンドを利用可
/etc/at.allow ファイルが存在しない場合は、
/etc/at.deny ファイルに記述されているユーザがatコマンドを利用できなくなる
どちらのファイルも存在しない場合は、スーパーユーザのみatコマンドを利用可
*atコマンドをすべてのユーザに許可する場合は、空の/etc/at.deny ファイルを作成する
●定期的に処理を実行する(定期的に複数回実行)
コマンド | 説明 | 書式 | 主なオプション 補足 |
crontab | 決まった間隔で定期的にコマンドを自動的に実行 (ジョブを作成) |
crontab [オプション] ファイル名 -eオプションを付けると 分 時 日 月 曜日 コマンド の形式で記述する 各フィールドの値 1つのフィールドで |
-e : 設定を編集 -l : -r : -u ユーザ: |
crontabコマンドで設定した内容は、
一般ユーザがcrontabコマンドを実行した場合、/var/spool/cronディレクトリ以下に保存され、
システム全体の設定は、/etc/crontabファイルに保存される
crondデーモンは毎分ごとに実行スケジュールをチェックするが、
指定された時刻にシステムが起動してないとジョブは実行されない
anacronはシステムが起動してない間に経過してしまったジョブを実行できる
anacronのスケジューリングは/etc/anacrontabファイルに記述される
cronデーモンの利用制限:
/etc/cron.allow ファイルが存在する場合は、そこに記述されているユーザのみがcronコマンドを利用可
/etc/cron.allow ファイルが存在しない場合は、
/etc/cron.deny ファイルに記述されているユーザがcronコマンドを利用できなくなる
どちらのファイルも存在しない場合は、すべてのユーザがcronコマンドを利用可
*cronコマンドをすべてのユーザに利用できなくする場合は、空の/etc/cron.allow ファイルを作成する
●syslogデーモンの設定
システムの主要なログが記録される /var/log/messages
ファイル
システムの認証関連のログが記録される /var/log/secure
ファイルなどがある
これらのログファイルの作成の管理をするのがsyslogデーモン(syslogdデーモンとも呼ぶ)
カーネルの出力するログはklogdデーモンが処理する
どういった種類のログをどこに出力するかといったsyslogデーモンの設定は、/etc/syslog .conf ファイルでおこなう
【書式】 ファシリティ . プライオリティ 出力先
【例】 mail . warning . /var/log/mail
(*1) (*2) (*3)
ファシリティ (*1) | 説明 |
auth/authpriv | 認証システム(loginやsu)のメッセージ |
cron | cronのメッセージ |
deamon | 各種デーモンのメッセージ |
kern | カーネルのメッセージ |
lpr | 印刷システムのメッセージ |
メールシステムのメッセージ | |
syslog | syslog機能のメッセージ |
local0〜local7 | 独自の設定 |
プライオリティ (*2) | 説明 |
emerg | 非常に危険 |
alert | 危険 |
crit | 緊急の対処が必要 |
err | 一般的なエラー |
warning | システムからの警告 |
notice | システムからの通知 |
info | システムからの情報 |
debug | デバッグ用の情報 |
none | 出力なし |
出力先 (*3) | 説明 |
パス/ファイル名 | ファイルに出力する |
@ホスト名 | ネットワーク上のリモートホストにログを送る |
ユーザ名 | ユーザの端末に出力する |
/dev/console | コンソールに出力する |
* | 全てのユーザに通知する |
●ログファイルの確認
ログ出力が膨大になるので、ログファイルを確認するときはlessコマンドやgrepコマンドを使う
またtail -f コマンドで最新のログをリアルタイムで監視できる
/var/log以下のログファイルはスーパーユーザのみ参照可能
コマンド | 説明 | 主なオプション 補足 |
who | ログイン中のユーザを一覧表示する | /var/run/utmpファイルの情報が参照される |
w | ログイン中のユーザとそのシステム情報を表示 | /var/run/utmpファイルの情報が参照される |
last | 最近ログインしたユーザを一覧表示する | /var/log/wtmpファイルの情報が参照される |
lastlog | ユーザ毎に最近のログイン情報を表示 | /var/log/lastlogファイルの情報が参照される 一度もログインしたことがないユーザは |
●ログファイルのローテーション
ログファイルから古いログを切り出し、一定以上古いログファイルを削除する作業
logrotateユーティリティによって、古いログファイルに拡張子 .1 .2 などが付けられる
デフォルトでlogrotateユーティリティが自動的に実行されるようにcronコマンドで登録してある
logrotateユーティリティの設定は /etc/logrotate .confファイルで行う
●バックアップの計画
ハードウェア障害、操作ミス、不正侵入、災害などからデータを守るために、
バックアップはコストを抑えつつ効率的に行い、
また迅速にバックアップからデータを復旧できる必要がある
バックアップの種類 | 説明 | 復旧時に必要なバックアップ |
完全バックアップ (フルバックアップ) |
システムを丸ごとバックアップする | 直前の完全バックアップ |
差分バックアップ (ディファレンシャルバックアップ) |
前回の完全バックアップ以降に 更新・作成されたデータのみをバックアップする |
直前の完全バックアップと差分バックアップ |
増分バックアップ( インクリメンタルバックアップ) |
前回の各種バックアップ以降に 更新・作成されたデータのみをバックアップする |
直前の完全バックアップと差分or増分バックアップ |
これらのバックアップ方式をコストと復旧時の手間をバランスよく考えると、
完全バックアップは1月に一度
差分バックアップは1週間に一度
増分バックアップは毎日
などの方法が一般的にとられる(システム要件により変更する)
また更新頻度の高いディレクトリ(/home, /etc, /var/log,
/var/spool/mailなど)のみバックアップを取得するなどの方法がある
逆に /proc, /dev などの更新頻度が低いディレクトリはバックアップする必要はない
●バックアップの実行
バックアップなどで複数のファイルをまとめたファイルをアーカイブと呼ぶ
コマンド | 説明 | 書式 | 主なオプション 補足 |
tar | ディレクトリ/ファイル単位の バックアップと復元 |
tar [オプション] [ファイル名] オプションの - は省略可能 |
x : アーカイブからファイルを取り出す c: f : z : v : t : r : -delete : |
dump | ext2/ext3ファイルシステムのバックアップ
磁気テープにバックアップを取るのに適している、
|
dump [オプション] デバイス名 バックアップ対象ファイルシステム オプションに-は付けない *LPICレベル1対策にはオプションを覚える必要はない? |
[0-9] : ダンプレベルを指定する 0が完全バックアップ 1〜9が増分バックアップ f デバイス名
: u : |
restore | ファイルシステムの復元 | restore [オプション] デバイス名 オプションに-は付けない *LPICレベル1対策にはオプションを覚える必要はない? |
r : すべてのファイルを復元する i : f デバイス名 : |
cpio | ファイルをアーカイブファイル、 またはアーカイブからファイルをコピー |
cpio フラグ
[オプション] フラグ -i オプション
パターン : -o オプション
: -p オプション
ディレクトリ: |
-A : 既存のアーカイブにファイルを追加する -d : -r : -t : -v : |
dd | ディスク間でのコピー ブートディスクの作成 |
dd [オプション]
例:起動ディスクの作成 dd if=boot.img of=/dev/fd0 |
if=入力ファイル : 入力側ファイルを指定する (デフォルトは標準入力) of=出力ファイル : bs=バイト数 : count=回数 : |