X Window System:
LinuxをはじめとするUNIXシステムで使われるGUI(Graphical
User Interface)環境
単に「X」(エックス)と呼ばれることもある
バージョン11リリース6(X11R6)のフリー実装がXFree86
●X Window Systemの仕組み
X クライアント(X アプリケーション):
ワープロ、表計算、WEBブラウザ、端末エミュレータ(xterm,kterm)などのユーザ用のアプリケーション
X サーバ:
キーボードからの入力処理やディスプレイへの出力処理といったインフラを提供する
両者は必ずしも同一ホスト上にある必要はない
(WEBサーバやメールサーバなどのようなサーバ/クライアント型のシステムのそれとは意味が異なる)
ウィンドウマネージャ:
ウィンドウのサイズや位置、デザインを提供するX
クライアント(X アプリケーション)
などのウィンドウマネージャがある
それぞれ外観や操作性が大きく異なる
統合デスクトップ環境:
ウィンドウマネージャなどの主要なアプリケーションを統一した環境を提供する
統合デスクトップ環境の種類 | ベースになるライブラリ | 使われるウィンドウマネージャ | 使われるディスプレイマネージャ |
GNOME | GTK+ | Sawfish | gdm |
KDE | Qt | kwm | kdm |
●X Window Systemの起動とディスプレイマネージャ
コンソールからX Window Systemを起動する場合は、
グラフィカルログインを行う場合は、
Linuxをランレベル5で起動すると、ディスプレイマネージャがグラフィカルにログイン認証を行う
(XFree86標準のディスプレイマネージャはxdm)
X端末:
X Window Systemの表示だけを行うデバイス
XDMCPという制御プロトコルを使ってホストコンピュータへ接続要求が送られる
ホストコンピュータにある /etc/X11/xdm/Xaccessファイルで、
ホストコンピュータへ接続できるX端末を制限することもできる
XFree86は、現在バージョン4.x系の他、1つ前の3.x系もまだ使われている
通常は/etc/X11ディレクトリ以下に設定ファイルが保存されている
●XF86Configの設定
XF86Config(スペル、大文字と小文字の違いに注意):
XFree86でもっとも重要な設定ファイル
適切に設定するために以下のような設定ツールがある
XF86Config設定ファイルの主なセクション(バージョン4.x系)
ServerLayout | ScreenセクションとInputDeviceセクションの結びつき |
Files | フォントパスとRGBデータベースパス |
InputDevice | マウスとキーボードの設定 |
Monitor | モニタ名やモニタの水平・垂直同期などの設定 |
Device | ビデオカードの設定 |
Screen | MonitorセクションとDeviceセクションを結びつけ色数を設定 |
フォントの管理:
XF86Config設定ファイルのFilesセクションにあるFontPathにフォントファイルが格納されているディレクトリを指定する(設定後Xサーバ再起動が必要)
しかし全てのコンピュータ個別にそれぞれ設定するのは大変なので、
一般的にはXフォントサーバ(xfs)で集中管理する
その場合、FontPathに、”unix/:7100” ”unix/:-1”のように、
Xフォントサーバ(xfs)を指定する
●ディスプレイマネージャの設定
XFree86標準のディスプレイマネージャであるxdmの設定は、
/etc/X11/xdmディレクトリ以下にある下記の設定ファイルで行う
Xaccess | リモートコンピュータからの接続要求を制御する |
Xresources | ログイン画面の変更など |
Xservers | ディスプレイ名の管理 |
Xsession | ログイン完了後に起動するスクリプトを記述 (通常はユーザ個別の ~/.xsessionが優先される) |
Xsetup_0 | ログイン認証前に起動するスクリプトを記述 |
xdm-config | xdm全体の設定 |
Linux起動時にグラフィカルログインできるようにするには、
/etc/inittabファイルのid:5:initdefault:にする
●Xクライアントの設定ファイル
ユーザのホームディレクトリにある ~/.Xresourcesファイルで
xtermの背景色やフォントの設定などを行う
●ネットワーク経由のXクライアントの利用