個人ができること

 

●個人で環境問題に関心を持つ

環境問題はとかく大きなレベルの話になりがちで、個人ではどうしようもないという諦めから行動を躊躇するケースが多い。

しかし一人ひとりがまず環境問題を認識して、今までの意識を変え、個人で出来ることだけも行動に移さなければ、環境問題の改善は成り得ない。

個人が環境問題を捉えるための標語として 「Think Globally, Act Locally」(地球レベルで考え、自分の周りから行動する) がある。

 

個人が環境問題に関心を持つには、家庭、地域社会、会社、学校など様々な単位での取り組みが考えられる。

環境省が制定したエコツーリズム憲章などによって個人の意識の変革の試みが行われている。

エコツーリズムとは、自然環境や歴史文化を体験・学び、それらの保全に責任を持つ観光のあり方のことで、この考え方を実践する旅行のことをエコツアーと呼ぶ。

エコツーリズムやエコツアーは、その自然環境や歴史文化がある地域の環境保全、観光新興、地域振興などの効果がある。

エコツアーの例として、世界自然遺産である鹿児島県の屋久島での原生林ツアーや小笠原諸島でのホエールウォッチングツアー、植林や清掃などのボランティア活動的なツアーもこれに含まれる。

ちなみに日本で世界自然遺産に登録されているのは、屋久島・白神山地・知床の3つ。

世界文化遺産は、白川郷・熊野古道・石見銀山など合計で11箇所

 

またケニアの活動家ワンガリー・マータイが、日本で伝統的に使われている「もったいない」という言葉に「3R」の精神が込められ、良く表わされているとして、地球環境の大切さを訴えるため、国際的に「MOTTAINAI」の普及に努めている

 

 

●環境についての教育

限りある地球環境の中で、環境への負荷を極力抑え、資源の循環を図りながら、地球生態系を維持し、人間を含む生物が豊かに生活できる「持続可能な社会」の構築が必要になる。

人間・経済・社会環境がバランスの取れた持続可能な社会を構築するには、

が社会システムとして必要だが、これらを促進するためには、まず個人の意識の変革が重要。

個人の意識の変革なくして、これらの制定・開発が活発に行われ、かつ有効に活用されることはない。

個人の意識の変革を進める方法として、学校などでの環境教育があるが、

が有効的とされ、法的には環境教育推進法が制定される。
環境教育推進法では、行政ではなく市民が主体となり、環境問題への意識を高めるための取り組むことが大事だとされている。

 

また、2002年に開催された南アフリカのヨハネスブルグサミットで、日本の市民と政府が「持続可能な開発のための教育(ESD = Education for Sustainable Development)」を共同で提案した。

「持続可能な開発」とは、地球上で生きる全ての人と将来世代の人々が安心して暮らせる社会を作るため、社会的公正の実現や自然環境との共生を重視した新しい「開発」のあり方のことで、これを実現する上でのあらゆる課題(平和、人権、貧困など)について総合的な教育を行うことをいう。

この「開発」という言葉は、技術や製品の開発を連想するが、もっと広い意味で使われていて、どちらかというと「発展」や「進歩」という言葉の方がわかりやすい。

 

学校での教育はもちろんですが、社会人に対しては、TVや新聞などメディアが率先して取り上げて欲しいところです

 

 

●環境倫理学

環境倫理学とは、地球環境問題について、自然と人間のあり方と関わり方、問題解決の障害になる事項を明らかにするもので、以下のことなどが取り上げられている。

  1. 自然の生存権: 人間だけでなく、地球上に存在する全ての生物や自然には生きる権利があるという考え方
  2. 世代間倫理の問題: 今の世代の人々は、未来の世代の生存について責任があるという考え方
  3. 地球全体主義: 地球の生態系が無限に広がりを持つものではなく、限りある世界であるという考え方
  4. 宇宙船地球号: 大きな地球を未来に向けて、慎重に判断し進めていかなければいけないというもの

 

 

●消費者と企業の関係

消費者が企業の提供する製品をただ消費するという関係は望ましくない。

消費者が主体的に環境に配慮した製品・サービスを選ぶなど、「生活者(プロシューマー)」や「グリーンコンシューマー」として、企業との関係を築くべきである。

特定非営利活動法人グリーンコンシューマー東京ネットでは、以下のような「グリーンコンシューマー100万人宣言」などで、生活者としての意識向上を目的とした活動を行っている。

  1. 必要なものを必要なだけ買う
  2. 長く使える製品を選ぶ
  3. 包装が少ない製品を選ぶ
  4. マイバッグを持っていく
  5. 省資源・省エネルギーの製品を選ぶ
  6. 季節に合った生活をする
  7. 近くで生産された製品・食品を選ぶ
  8. 安全な製品・食品を選ぶ
  9. 容器は再使用できるものを選ぶ
  10. 再生品を選ぶ
  11. 環境問題に取り組んでいる会社のものを選ぶ
  12. グリーンコンシューマーの仲間を増やす

このように消費するものがどの製品・サービスを選ぶかによって主張することも可能だが、消費生活アドバイザーやヒーブ(HEIB 企業内化成学士)と呼ばれる人々、もしくは国民生活センターなどが、企業と生活者のパイプ役になることが期待されている。

 

 

●運輸・交通でできること

日本での部門別の二酸化炭素排出量は、1位の産業部門についで運輸部門は2位につけている。

1990年度比で産業部門はわずかに減少しているが、運輸部門は20%増と大幅に増加している。

鉄道による輸送に比べ、自家用トラックは約23倍のエネルギーを消費することから、企業は鉄道での輸送を促進する(モーダルシフトという)必要があるが、運輸部門の増加は個人消費者が所有する自家用自動車(マイカー)の増加が大きく寄与している。

などの対策が考えられるが、どうしても個人での車の所有・使用が必要であれば、エコドライブを心がける。

 

 

公共交通機関がない地区では仕方ないですが、都心ではバスや鉄道が張り巡らされているので自家用車がなくても生きていけます。

都心ではどちらかというと、おしゃれなライフスタイルのために車を所有する人が多いような気がします。

とても愚かしいことです。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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