有害化学物質

●有害化学物質

化学物質とは複数の元素からなる化合物を指す。
天然にあるものと人工的に作られるものがあるが、人間の生活を豊かにするべく人工的に作られた化学物質も、適切に管理・使用・廃棄されないと、人類や生態系にとって有害となる場合もある。

レイチェル・カーソンが1962年に著書　沈黙の春　で化学物質による人体および環境への悪影響を警告している。

有害化学物質には以下のようなものがある

• ダイオキシン：　ポリ塩化ジベンゾーバラージオキシンなどいくつかの化学物質の総称、毒性の強いものがあり、発がん性物質とされている
• PCB：　　ポリ塩化ビフェニル、毒性あり、カネミ油症事件の原因になったことで広く知られる
• 環境ホルモン：　内分泌かく乱化学物質、動物のホルモン作用に悪影響を与える

1996年に米国のシーア・コルボーンらが『奪われし未来』を出版し、環境ホルモン問題を提起、世界的に注目された。

化学物質による環境リスクの大きさは、有害性の程度　ｘ　暴露量（飲食、皮膚接触などどの経路でどの程度取り込んだか）として計られる。

有害な化学物質による環境リスクを低減するため、

• PRTR法：　事業者が化学物質の排出移動量を国に報告し、国はそれらを把握・集計・公表する仕組み
• MSDS（化学物質等安全データシート）：　有害化学物質を含有する製品を他の事業者へ提供する際に、化学物質の性質・取り扱いに関する情報もあわせて提供することを義務付ける

などの制度が採用され、有害な化学物質による環境リスクについての正確な情報を市民、産業、行政ら全てが共有（リスクコミュニケーション）することが推進されている。

化学物質は目に見えないだけに怖いですね。